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zoom RSS AN299 VCO with Extended Frequency Range

<<   作成日時 : 2008/09/30 00:53   >>

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National SemiconductorのアプリケーションノートAN299に出ている「伝説」、というか、謎の多い発振回路をシミュレータ上(LTspice)でなんとか思い通りに動かせましたので紹介します。

この回路についてのtakedaさんほかの実験や議論はこちら

http://analog-synth.jp/cgi/dkb_as/dkbsystem.cgi?id=&md=viw&no=8998&tn=8998

AN299はこちら。動作の説明も出ています。

http://www.national.com/an/AN/AN-299.pdf

とてもきれいな回路なのですが、実際には思い通りに動かないことで有名です。AN299には15kHzまで発振すると書かれているのですが、作ってみると、せいぜい2kHzまでしか周波数は上がらないそうです。寄生素子の無いシミュレータ上でも同じくらいでしたので、実装の問題でもありません。

まずあとで出てくる改善策と比較できるように、簡略化した回路図を以下に示します。シミュレータでは1.4kHzまで発振しました。

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■飽和低減のダイオードクランプ
takedaさんの奮闘に応えて、pcm1723さんが解決策を見つけてくださいました。下の図でダイオードをコレクタとエミッタ間につけてクランプするそうです。シミュレータでは14kHzくらいまであがりました。これなら使えます。

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さてこれを見るとAN299が思い通りにならない理由がトランジスタの飽和と想像できます。飽和を防止するために、ダイオードD2をショットキに変更してみたところ、最高周波数は4MHzまで上がりました(発振周波数が数百kHzを超えると振幅が小さくなっていきます。また実際にはこんなに高くは行かないでしょう)。ただしショットキダイオードも整流用ではだめで、接合容量の小さいスイッチング用である必要があるようです。ここで使っているBAT54の容量は12pだそうです。検波用などは1pF程度のものがあるのでそれを使えばよさそうです。

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■飽和回復の順序を統制するダイオード
どうも飽和から回復する途中で、PUTが再度オンしてしまうようです。回復時が問題なら、、ということでKORGのMS10、MS20、ローランドのTB303などで使われている方法を試してみました。一方のトランジスタが飽和しやすくなるように、ダイオードD1を挿入します。回復の順序が都合よくなるはずです。これでも最高周波数が20kHzまで上がりました。ただし波形が若干乱れます。

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■ダイオードクランプと飽和回復順序統制ダイオードの併用
上の2つの方法を併用したところ、最高周波数が110kHzまで上がりました。D2はショットキダイオードでなくても十分なようです。こちらも波形は若干乱れます。

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■温度補償
さてこれだけダイオードがあちこちに入ると、温度で振幅や周波数が変わってしまうはずです。基準電圧に温度特性を持たせる方法を試してみました。ダイオードD3とD4を挿入するとかなり改善されるようです。他の回路でも同じく2個の挿入が一番うまくいきました。ただし実質的に基準電圧が下がるので、それに合わせて発振の振幅も小さくなります。

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おわり

2009年6月30日、図の順序が間違っていたので修正しました。「飽和回復の順序を統制するダイオード」と「ダイオードクランプと飽和回復順序統制ダイオードの併用」の図が入れ替わっていました。

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