Second-Order All-Pass Filters. (Final Phase Pt. 3)

Phaserに使われるAll-Pass Filterは普通1次フィルタですが、2次のものを集めてシミュレーションしてみました。

2次APFの利点はオペアンプが少なくて済むので、ノイズが少ない可能性が高いことです。

欠点は、ちょっとした素子誤差で周波数特性が変わってしまうので、期待通りの特性にならないかもしれないことです。

回路図
画像




[a]と[e]は参照比較のための普通の回路です。[a]は1次APF、[e]は1次APFをつなげた2次APFです。

[b]はAnalog Devicesのマニュアルにあった2次APFです。この回路は複雑で、Phaserで使われているのは見たことが無いです。

[c]はADAのFinal Phaseに使われている2次APFです。固定で使われています。Final Phaseについては10年前に紹介しました。
http://houshu.at.webry.info/200607/article_2.html

[d]は[c]を変形したオリジナル(と私が思っている)APFです。CdSが2連になっているフォトカプラが使えます。
10年前に考えたのですが、初めてシミュレーションしました。
http://houshu.at.webry.info/200607/article_3.html

ついでに、Final Phaseで理解できていなかった部分もシミュレーションしました。
[f]は、Final Phaseの可変APF部分です。2段ごとにフィードバックがかかっています。

周波数特性
画像


[a]と[e]は比較用の普通の回路なので、明らか、、という特性です。[e]は[a]を2段つなげただけなので位相回転が[a]の2倍になっています。

[b]は2次フィルタになっていることが分かります。360度まで回っています。[e]と比べて、位相が急激に変化しており、Qが高いことがうかがえます。

[c]も2次フィルタになっていることが分かります。0.1dB位振幅が波打っています。中心周波数は違いますが、Qは[b]に近いことが分かります。

[d]も[c]とほぼ同じ特性です。振幅の波打ち方の形が少し違いますが、やはり0.1dB位です。CdSで可変した場合にどうなるかを確認するために、抵抗に誤差を入れてみたところ、10%の誤差で振幅の波打ち幅が1.5~2dB位になりました。CdSのマッチングをとれば使えるかも、、という程度の性能だと思います。

[f]は、[e]に比べてQが高くなっています。Qが高いと、Phaserにしたときのノッチが細かく並びます。ADAはこの効果を狙っていて、それが独特の音につながっているのだと思います。とてもすっきりしました。

おわり

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • Second-Order All-Pass Filters Pt. 2.

    Excerpt: 2次APFの回路をいろいろシミュレーションしてみました。 Weblog: アナログ電子楽器の回路を読む racked: 2017-01-27 00:15